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life+outfitter+mggk and more shoot diary

椰子の実

名前も知らない遠い島から流れ寄ってきた椰子の実が一つ。故郷の岸を離れて、お前はそもそも波に何ヶ月浮かんでいたのか。実を付けていた元の木は今も生い茂っているのだろうか。枝は今も尚、陰を作っているのだろうか。私もまた、渚の波の音を枕に一人寂しく故郷から遠く離れた所を彷徨っている。この実を持って胸にあてれば、あても無く彷徨う旅の不安が一層鮮やかになる。海に日が沈むのを見れば激しく溢れ落ちてくる、故郷を思う涙。椰子の実が流れてきた遥かな潮の流れを思うと、我が身の人生の遠い道のりも思いやられる。何時の日に故郷に帰ろう。

これが現代語訳になるらしい、島崎藤村が友人の経験から書いた、この詩はそれぞれに感じ方も違うだろう。歌碑は舞台となった伊良湖岬にあるから見に行こうと思う。